少年サッカー指導について、なかなかよい情報を発見。
町田に創設5年目の小学生チームが日本一になった、そのチームを指揮する監督の話。
「自分で動けないと意味がない」
そうですね~
で、フットボーラーとして「自分で動く」ための技術は何か?という話。
東京都町田市が拠点のジュニアチーム・FCトリアネーロ町田の監督を務める若山聖祐をゲストに迎え、ジュニア世代の指導法の話です。
個人的に、2点、いいなと思いました。
まず、ボールを足の裏で扱う技術を徹底して覚え込ませる、という点。
良いと思います。
よくクリスティアーノ・ロナウドあたりがフットサル出身で、足元の技術がしっかりしている、だから小さい時にサッカーだけでなくフットサルもやらせるべき、という論点があります。
ただ、ぼくはそんな単純な議論はつまらないと思います。
足の裏でボールを扱う、とだけ子供に伝えてやらせたとしても、たぶんプレーが遅くなって、むしろ現場では混乱が起きてしまって、以上、終了、となるでしょう。
それでもやらせるか?
となると、やっぱり指導者が本質的な部分をしっかり理解していることが肝要かと。
これは、ぼくの個人的な見方と指摘されてしまうかもしれませんが・・・
ボールをしっかり足の裏で扱う、コントロールする、という動作は、実は身体の重心の位置だとか、腰の位置だとか、がちゃんとマッチしていないと、ボールを踏んだり、足裏の拇指球でのコントロールが甘くなってしまって(力が入らない)使えない技術・・・つまり重心と姿勢と間接とボールの位置の関連性・連動性が無いと意味のない技術であると考えます。
いまこの記事を読んでいるあなたは、たぶん椅子に座っている状態の人が多いと思います。
その座った姿勢で、足元に火のついたタバコが落ちているとして、それをふみ消してみてください。
まず力が入らず、また拇指球の辺りのコントロールが集中せず利かないことがわかると思います。
はい、次に席から立って、やはり火を踏みにじって消す動作をしてみてください。
ちょっとした姿勢の違いで、踏みにじりの力の伝わり方や、拇指球あたりのコントロールのしやすさに大きな違いがあることがわかると思います。
ぼくはスキーの指導もしていましたが、腰の位置と足裏の位置関係が、体重を乗せられる、という点と、もうひとつ、正確なコントロールが利く、という意味でとても大事だと実感しています。
この自分の“範囲”を感覚的に身につけることで、ドリブルなどの応用も利くようになると考えています。
身体の中心部と足裏のボールとの位置関係が、かなり微妙に(神経質に)マッチしている、ということがどういうことなのか?
ここに地球上で重力に支配されている生き物、あるいは股関節を使う生き物としての本質があると思うわけです。
この微妙な位置関係を、神経系の発達が著しい子供の頃(ゴールデンエイジ)にしっかり身につけることができれば、とても強い武器になるのではないでしょうか?
そして、この町田のコーチがおっしゃっているように、大事なことは「自分で動ける」ということ。
足の裏でボールを扱える、ということは地球とつながること。
これって、自己肯定感や自信につながるわけですね!
ここが大事です。
そして・・・
下でも触れますが、要は
♪家長昭博ららららら~、だれにもアキを止められない
♪家長昭博ららららら~、俺らとともに戦おう
このページで言いたいことの一つがこれ。
別の質問です。
その椅子に座っている状態でエラシコをやっているイメージをしてみてください。
足先でチョコチョコとボールコントロールはできるでしょう。
ただし、エラシコをフェイントとして活かすためには、エラシコをした次の瞬間のダッシュが利くかどうか?
エラシコ自体を単なる足先の技術と捉えているのであれば、それは試合では使えません。
まどろっこしくなりましたが、ちゃんとボールを扱える感覚を身につけるためには、ちゃんと踏める、ちゃんと拇指球付近でコントロールできる、そういうフットボーラーとしての姿勢づくりが大切、という理解が必要と考えます。
足裏でボールを扱う、ということについて、もうひとつ書くと、上でも述べましたが、単に足裏だけ使っていては、サッカーとしてはただプレーが遅くなるだけです。
で、実践で足裏を使わせる以上は、かならずもうひとつ身につけなければならない技術がありますね。
それはファー・フット。
(正しい用語???笑)
個人的にはファー・フットとおぼえています。
つまり背中に相手のディフェンスを背負って、足裏のボールを、相手の選手から一番遠い場所にキープし続ける、という技術です。
川崎フロンターレの家長選手が驚異的に上手い技術ですね。
(上の動画が適しているかどうかはわかりませんが・・・)
時間をかける
相手選手を集めて
その間、味方の配置を整えさせる
一気に逆を利用してシュートチャンスまで持っていく・・・
足裏の技術、相手を背負う(相手・自分からみた適性なボールとの位置関係)、そして足裏を使って時間をかけるという戦略的・戦術的意味。
これらが身につけば個人としてのフットボーラーとしては一定の完成の域に至った、といっても過言ではないと思います。
ああ、長くなりましたが、この町田の少年チーム、もうひとつ秀逸だ、と考えた点。
ダンスをやらせている、という点です。
わざわざ一流のダンサーコーチを呼んでまでして子どもたちにダンスをやらせている。
文章内では、人前でどうどうと表現する、という「表現への慣れ」のことを書いていたりします。
これは、これでとても重要なポイント。
自分で自分を表現できないような状態では「自分で動ける」選手にはなれないわけですね。
個人的には、フットボールとダンスは、練習という意味でも、感性育成という意味でも、あと、身体操作、という意味でも、非常に親和性が高いと思います。
インナーマッスルを鍛えたりコーディネーショントレーニングとして、とても有効なツールだと考えています。
マイケル・ジャクソンで有名なムーンウォーク。
サッカー指導者はぜひ大人もやってみてほしいです。
めちゃくちゃ体幹、および体幹のコーディネーションが求められ、無駄な力を抜く技術も求められます。
あと今の子供達が身体が硬いし、思考も子供のくせに凝り固まりがちです。
ダンスを身につけることでいろんな動作や関節の使い方、筋肉や骨格の連動的な使い方を学ぶのは、とても良いことだと思いました。
パントマイム的な動きは・・・うまくいえませんが、怪我の防止なんかにも使えそうな。
やばい接触の瞬間に、力を抜いてしまえばいい、という。
うまくいえませんが。(キリがないw)
ああ、そういえば、サッカー大国にはどこにも伝統的な、その国民の精神的支柱になるようなダンスや舞踊がありますね。
ブラジル=サンバ
アルゼンチン=タンゴ
スペイン=フラメンコ
日本=???
非科学的と言われるかもしれませんが、こういう伝統の動作やリズムに共感共有することで、サッカー大国では激しい競争もありつつも、強力な自己肯定感や自信みたいなものが身についているのかも。
以上、いろいろ書きましたが・・・もうひとつ大事なこと!
大人たちが、新しいことを始める勇気と覚悟を持つのが大事ですね。
いろんな新しいトレーニング手法を取り入れると、どうしても一旦停滞が生じてしまいます。
試合などでも結果は芳しくないかもしれませんね。
ひとつのクラブ内で新しい取り組みが定着するには少なくとも3年ぐらいは普通にかかってしまうので、高学年の子供なんかは卒業してしまうわけです。
ここを保護者なんかがいろいろ言い出したりするわけですね。
まあこういうのを抑えるために、指導者の“元Jリーガー”みたいなのは有効に利用したいところではあります。
(逆に、その肩書が害になる場合も少なくないと思いますが・・・)
以上、勝手な雑感でした。